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なぜ、不景気なのに札幌では土地の値上がりが続くのか?

 RENOたま!スタッフの「リノベ業務日誌」-0001

土地の値上がりが10年以上も続くわけ

長引くデフレとコロナ禍の影響で収入は下がっているのに、土地の値上がりは10年以上も続いています。
バブル期のような好景気ならともかく景気が悪く所得も下がっている今、地価がこうも値上がりを続ける理由は何なのでしょうか?

今回はその理由を探ります。

□ バブル期を超えた土地の値上がり期間
□ 実はまだ「安い」と言える札幌の土地
□ 日本人が買えない土地を買っているのは誰?

1. バブル期を超えた土地の値上がり期間

バブル時代の土地の価格は、1985年から1991年の7年の間に、なんと5.7倍にも値上がりしました。

私達は今、地価の高騰に苦しんでいますが、その期間は2014年から2023年の10年間、と、バブル期の7年を超えています。

値上がり幅こそバブル期には及びませんが、それでも札幌の地価平均は、10年前の1.9倍にも高騰しています。

つまり、10年前には1,000万円で買えた土地が、今では1,900万円払わないと買えない時代になってしまった、ということです。

2. 実はまだ「安い」と言える札幌の土地

土地に限ったことではありませんが、モノの値段というのは、需要と供給の関係で上下します。

提供されるモノの数より、欲しい人の数のほうが多ければ値上がりし、欲しい人が少なければ値下がりします。

経済が成長して出生率が高まり人口が増えてゆくと、家が欲しいと考える人が増え、地価は少しずつ上がってゆきます。

健全な経済の下では、土地の値段というのは自然と値上がりしてゆくものなのです。

ところが日本ではバブルが崩壊し、1997年から消費者物価上昇率がマイナスになり(物価が下がってデフレ化し)、賃金が下がり始めます。

同じ1997年から子供の数が高齢者人口より少なくなり、少子化が始まりました。

収入が減って購買力が落ち、人口も減ってゆくようになったので、家を買う人が減りました。

当然のことながら地価は値下がりし、14年連続で前年を下回りました。

リーマンショックの前後3年ほどは投機目的の不動産買いのために若干値上がりしましたが、バブル崩壊後、土地の価格は2013年まで22年もの間下がり続けていたのです。

今の札幌の地価が高いと言っても、経済が健全に成長していれば自然に上昇していたはずの価格より、実はまだまだ安いと言えるのです。

3. 日本人が買えない土地を買っているのは誰?

2024年現在の日本では、相変わらず収入は増えず、人口は減り続けています。

そのような状況だったら、本来地価は値下がりを続けていてもおかしくないのですが、最初にお話しした通り地価は10年前の1.9倍を超え、遠からず2倍を超えるのではないかともいわれています。

最近では地価だけではなく建築資材も値上がりしているため、平均年収を上回っている人でさえ住宅ローンの借入可能額では新築住宅を建てられない、などという事例も見聞きします。

銀行の住宅ローン担当者さんからは、新築の借入額が5千万円を超え、申込件数が減っていると聞きますし、親しくしている不動産屋さんたちの話では、昔なら敬遠されていた築30年前後の中古住宅が飛ぶように売れているといいます。
土地が高すぎて建築費にまでお金をかけられない、というのです。

なぜ、日本では家を建てる人が減っているのに、土地の値上がりが続くのでしょうか?

一般市民には買えないほど高くなっている土地を、一体誰が買っているのでしょうか?

結論から申し上げますと、この高い土地を買っているのは「日本人以外の人」です。

先進諸国が2倍から5倍もの経済成長を続ける間、日本経済の成長率はわずか1.03倍。
実質賃金が減っている日本人にとっては高くて手が出ない土地も、所得の増えている世界の人々から見るとまだまだ安いのです。

札幌の土地が外国に買われていくのには、大きく分けて3つの原因があります。


次回からは、その具体的な理由と対策についてお話ししてゆきたいと思います。

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