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札幌の土地が値上がりする3つの理由 ②

 RENOたま!スタッフの「リノベ業務日誌」-0003

米中対立と中国バブルの崩壊

米中対立による経済制裁と不動産バブル崩壊から逃げ出したチャイナマネーは、値段の安い日本の土地に投資されている。
法整備のない日本では、外資による土地の買収を防ぐことができないため、中国資本による不動産買収は今後も続く。

□ 米中対立から始まった中国の「資本逃避」
□ 中国の不動産バブル崩壊で加速する「土地の爆買い」
□ 外資の土地買収を規制できない日本の法律

 

 

皆様こんにちは。
RENOたま!の事務局担当です。

リーマンショック後のことですからもう10年以上前になりますが、中国人観光客が高級品から日用雑貨までを大量に買って帰る「爆買い」という言葉を耳にするようになりました。

それから数年後、「今度は中国人が土地を爆買いしている」というニュースが流れるようになり、今では北海道の土地の3割ほどが中国資本に買い占められています。

1. 米中対立から始まった中国の「資本逃避」

バブル崩壊後に札幌の土地が上がり始めたのは2014年のアベノミクスからですが、値上がりが顕著になったのは2016年以降です。
中国のGDPが日本を追い抜いた2010年前後から、中国による森林や企業の買収は進んでいましたが、市街地やマンションなどの購入が目立つようになったのは、2016年くらいからです。

2016年というと、ドナルド・トランプ氏がアメリカ大統領選で勝利した年です。

トランプ大統領はアメリカ第一主義を唱え、中国がアメリカの知的財産を盗み、米国の利益を奪っているとして、中国に経済制裁をかけました。

制裁が進むと、中国国内の経済が衰退し、財産は目減りしてゆきます。また、アメリカに投資していた資産を差し押さえられる危険も高くなります。
そこで中国の富裕層は、国内やアメリカにある財産を、もっと安全な投資先に避難させる必要がありました。
このような動きをキャピタルフライト(資本逃避)と言います。

日本はマイナス金利政策を続けてきたおかげで円安になっています。
また、デフレが続き土地が値下がりしていたため、日本の「不動産の爆買い」は、チャイナマネーにとって格好の避難先だったのです。

アメリカ大統領が親中派のバイデン氏に代わってからも、民主・共和の両党が反中姿勢を打ち出しているため、この傾向は今後も続くことでしょう。

2. 中国の不動産バブル崩壊で加速する「土地の爆買い」

リーマンショック後の2009年ころから始まった中国の不動産への投資は2016年ころにピークを迎え、なんとGDPの3.7倍もの資金が不動産に投入されていました。
中国人民は年収の20倍のローンを組んで住宅を買い、収入の2/3を返済に充てている状況です。
2019年には、年収の50倍、60倍などという地域もありました。

仮に年収が400万円だったとすると、マンションの一室が2億円から2億4千万円もする、という計算になります。

売買物件の価格も賃貸物件の家賃も人民の支払い能力を超えてしまったため、販売や入居が減り、不動産会社は十分な収入が得られなくなってきました。

そこへ、中国政府による規制がかかり、借り入れができなくなった不動産業者は、値引き販売や事業を売却するなどして資金繰りに充てていますが、建築業者への支払いができず、工事が中断して物件の引き渡しができないなど、不動産バブルの崩壊が現実味を帯びてきました。

投資家や富裕層は、そのまま中国内の不動産に投資していると大きな損害を出してしまうため、資産を別のところに逃がす必要があります。

逃げ込む先は、割安で安定している日本の不動産、ということになり、中国資本による「土地の爆買い」が起こったというわけです。

3. 外資の土地買収を規制できない日本の法律

チャイナマネーが日本の不動産に集中するのには、もう一つ大きな理由があります。

諸外国が外国資本による不動産の購入について取得や利用法について何らかの規制をかけているのに対して、日本では一切の法的規制がないのです。

たとえばオーストラリアでは、外資による土地取得には金額の制限がありますし、スイスでは、住宅地の取得には許可が必要で、別荘の外国人枠は1,500件のみ、賃貸目的の不動産取得は禁止、などの厳しい制限があります。

その点、所有・利用・管理などに一切の制限がなく、制裁などで取り上げられる心配のない日本の不動産は中国人にとって安心で、非常に買いやすい投資先だと言えます。

以上の3つの理由から、日本政府が何らかの手を打たない限り、中国資本による日本の不動産買収は今後も続くと思われます。
そして、地価はこの先も上がりを続けるということになるでしょう。

2024年秋になってからアメリカの実体経済の悪化により、FRBが0.5%の大幅な利下げを行いましたが、それでも1ドル130円を切ることはないだろうといわれています。

なぜなら日銀が今回の利上げの悪影響に対する批判に負けて、「春までに 1%に上げる」という方針を撤回しているように聞こえる話をしているからです。

円安は外資による土地の買収を増やし、不動産価格をさらに上昇させるため、家の購入を考える方々にとっては深刻な状況です。

どうしてあんなに強かった円が、こんなに安くなってしまったのでしょうか?

次回は円安の原因について考えてみたいと思います。

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